オイル洗顔という考え方
2026. 10. 29
オイル洗顔とは
オイル洗顔とは、界面活性剤入りのクレンジング剤を使うのではなく、オイルそのものでメイクや皮脂汚れを浮かせ、ティッシュで吸い取って落とす洗顔方法です。洗い流す工程を持たないため、洗うたびに皮脂やセラミドといった肌を守る成分まで流れてしまう「洗いすぎ」を減らすことができます。
ベビーオイル洗顔は、ベビーオイルを使って行うオイル洗顔の一種です。ベビーオイルとは、赤ちゃんの肌の保湿などに使うオイルの総称で、特定のメーカーの商品名ではありません。多くはミネラルオイルをはじめとする単一のオイルでできており、もともとメイクを落とすために作られたものではありません。なお、この方法自体は古くからあり、誰か特定の人が発明したものではありません。
MIULEの作り手は、幼少期からアトピーに悩んできました。高校時代もかなりひどく、大人になって落ち着いてからも、「肌が弱い」という事実は人生について回りました。何を塗っても、何をやっても、どこにいっても治らない。治らないのが普通。化粧品メーカーに勤めるようになってからも、それは変わりませんでした。
転機は、拍子抜けするほど些細なことでした。ある時、湯シャン(お湯だけで髪を洗うこと)を、半ば適当に試してみたのです。すると、アトピーとは関係がありませんが、長年の毎年冬に魚の鱗のように乾燥する肌荒れが治ってしまったのです。
原因を考えると、トリートメントの成分でした。トリートメントはわざと成分を髪に残す特殊なアイテムです。髪に残った成分が、日中の汗でもみあげを伝って肌に触れる。毎年冬になると決まってあごのあたりの肌がカサカサになっていたのは、そのせいだったのです。
この時気づいたのです。何気ない普段の日常の習慣が、肌をここまで左右する。よく考えたらそちらの方の影響の方が、無意識に毎日行っていることで、スキンケアや治そうとすることよりも影響は大きいのかもしれない。その事実に気づいた時、問いが変わりました。肌荒れの原因は、本当に「足りないもの」なのか。もしかしたら、毎日の「何気ない習慣」そのものが、肌荒れを作っているのではないか。
そう考えた時に、医学や科学が進歩しているにも拘らず、肌荒れやの人は統計学上毎年増えている要因は何だろうか。もしかすると、時代の変化によって昔なかったものが、今はある当たり前になってしまった習慣にあるのかもしれない。そう考えるとどんなに技術が進歩しても、一向によくならない原因の辻褄がすごく合う
この問いが、オイル洗顔の理論の出発点です。

容疑者は、洗いすぎという習慣だった
そう考えた時に真っ先に思いついたのが、洗うという習慣です。今の時代は洗うという習慣に溢れに溢れています。朝の洗顔から始まり、手洗い、お風呂、洗髪、クレンジング。肌だけ見てもたくさんあります。日常生活を考えると食器洗い、洗濯、部屋のそうじ。商品はよりキレイにを叶えるために洗浄強度は増し、体の部位ごと、汚れの種類ごとに専用の洗うものが開発され、さらには除菌、殺菌、滅菌など目に見えないものままで増えています。回数も箇所も、強度も、種類も、アイテムも増え、それに伴い習慣が増えているのです。
その間、人間の体は進化していません。
例えば顔で考えてみましょう。
クレンジングや洗顔料の主役は、オイルと界面活性剤です。油汚れに馴染み、水で流せるようにする。その力は確かに便利です。ただし、商品や成分は「落とすべき汚れ」と「肌に残すべきもの」を区別しません。
肌の一番外側にある角層は、レンガとモルタルに例えられます。角層細胞がレンガ、その隙間を埋める細胞間脂質がモルタル。モルタルの主成分はセラミドで、レンガの中には水分を抱える天然保湿因子(NMF)があり、表面は皮脂の膜が覆っています。この3つがそろって初めて、肌は水分を保ち、外の刺激から身を守る「バリア」として機能します。
クレンジングや洗顔という行為は、メイクや皮脂と一緒に、このセラミドも、NMFも、皮脂膜も流してしまいます。一度に失う量はわずかです。でも洗顔は毎日、年に700回以上繰り返す行為です。毎日少しずつバリアが痩せていけば、肌は水分を保てなくなり、刺激に弱くなります。「何を塗っても良くならない」の土台に、落としすぎがある。私たちはそう考えるようになりました。
洗うな、と言いたいのではありません。問題は、洗う「回数」「強さ」を誰も測ってこなかったこと、自分たちの商品だけを評価し、人々の日常まで考えなかったことです。
やり方は、昔からあった
オイルで汚れを落とし、紙で取るというやり方は、実は古くからあるものです。新しい発明でも何でもありません。オイルでメイクを落とす知恵は、歴史が追えないほど古いやり方で、1950年代のハリウッド女優や歌舞伎役者なども同じような方法でメイクを落としています。
それなのに、この方法は広まりませんでした。なぜか。やり方だけがあって、良い原材料と良い技術がなかったこと、拭き取るものが高価で一般に普及していなかったこと、そして理論がしっかり伝わっていなかったことです。
まず、昨今まで技術的に作ることが難しかった、問題も多かったことがあげられます。そして拭き取るものがここまで普及しなかったことがこのやり方が一度廃れてしまった原因でもあります。
そして「なぜ良いのか」「どこまでやればいいのか」「悪くなったように見える時は、続けるべきか、やめるべきか」。この問いに答える物差しがなければ、人は不安になってやめてしまいます。良くなる前に離脱してしまう。方法が正しくても、理論がなければ人は続けられないのです。
だから私たちは、やり方ではなく理論を作りました。
理論の核:洗う強さは、自分で決める
理論の中心は、ひどく単純な考え方です。洗う強さ(洗浄強度)を、いったん最小まで下げる。すると、それまで強い洗浄の習慣に抑え込まれていた肌に変化が生まれます。特に変化がないのか、あまり何もしていないのにいつも保湿感があるのか、脂感があるのか。
多くの人はここで「良かった」「悪化した」「何もなかった」と判断します。でも私たちは、これを「可視化」だと考えます。習慣の変化に対して肌の答えが、見えるようになっただけです。
答えが見えれば、そこから調整ができます。脂感が残りやすいなら、泡洗顔を少し足す。乾燥するなら、保湿を厚くする。部分的にだけ、強い方法を使う。季節が変われば、強さも変える。洗浄強度の正解は一つではなく、自分の肌で確かめながら見つけるものです。
物差しも用意しました。洗った直後、急いで保湿しないとつっぱるようなら、これまでの習慣は今のあなたの肌には強すぎます。逆に、洗った後に何もしなくても落ち着いていられるなら、その強さがあなたの現在地です。
一番の発見は、処方ではなく「やり方」だった
正直に言うと、「洗いすぎで肌が荒れる」という事実自体は、私たちの発見ではありません。医学では昔から知られています。
身近な例があります。家事で食器を洗う機会の多い女性に、手荒れが多いこと。お客さんの髪を洗う美容師に、手荒れが多いこと。どちらも仕組みは同じです。洗う時、汚れと一緒に、皮脂やNMFといった肌を守っている成分まで流してしまう。だから荒れる。
では顔はどうか。現代の日本人は、肌を「洗い流す」行為をあまりにも繰り返しています。朝の洗顔、毎日の入浴、夜のクレンジング。女性で平均1日3回、男性でも2回です。少し前まで、毎日の入浴も毎日の洗顔も、当たり前ではありませんでした。人間の体は、その習慣の増加に耐えられるほど進化していない。文化だけが先に進んでしまったのです。
この前提でベビーオイル洗顔を見た時、私たちは気づきました。この方法は、洗い流す行為が1回分、丸ごと減っている。皮脂やNMFが流れる機会が減るのだから、肌が改善する人、良くも悪くも肌に変化大きくあると感じる人が多いのは当然なのです。
化粧品の技術は長年、「いかにメイクを落とすか」と「いかに落とすと同時に肌を守っている成分まで落としてしまうこと行為を肌に負担なく落とすか」を追いかけてきました。答えの出し方は2つ。処方を工夫するか、落とした後のスキンケアで取り戻すか。ところがこの方法は、そのどちらでもなかった。やり方を変えるだけで、全部が叶ってしまっていた。それもとても簡単な方法で。これが、私たちにとって一番の発見でした。

オイルは「浮かせる」が「流せない」
理論を支えるもう一つの柱が、オイルの性質です。メイク、皮脂、毛穴の角栓は油性の汚れです。オイルはそこに馴染み、浮かせる力を持っています。
しかしオイルは、水では流れません。オイルクレンジングが水で流せるのは、界面活性剤が入っているからです。純粋なオイルは、浮かせた汚れごと紙で吸い取るしかありません。
だから私たちは、「拭き取り」ではなく「吸い取り」と呼びます。ティッシュを当て、指でするっとなでて、オイルと汚れを紙の側へ移す。押さえつけず、こすらず、紙を替えながら。摩擦を最小にして、オイルだけを持っていく。この地味な工程こそが、オイル洗顔の心臓部です。
使うオイルはミネラルオイルが第一選択です。酸化しにくく、品質が安定していること。角層の表面にとどまり、奥へほとんど入っていかないこと。余計な成分を持たず、トラブルの切り分けがしやすいこと。「浮かせて吸い取る」という仕事には、この性質が合っています。逆に、皮脂と馴染みが良いホホバのような油は、洗うためではなく補うための油です。セラクレンズのPLUSがホホバをベースにしているのは、洗浄の先に美容も楽しむという、もう一つの処方思想によります。

結果は、遅れてやってくる
この理論には、時間の約束が含まれています。肌の変化は、良くも悪くも2〜3週間遅れて現れる、という約束です。
角層は絶えず生まれ変わり、健康な肌でも新しい細胞が表面に届くまで約28日かかります。今日始めた洗い方の結果は、今日の肌には出ません。今のあなたの肌は、数週間前のケアの結果です。
だから判定は1ヶ月単位でお願いしています。数日で見切りをつけないでほしい。週に1回、写真を撮ってほしい。感覚は日々ぶれますが、記録は裏切りません。
そして、続けなくてよい合図も先に決めてあります。赤み、痒み、ピリピリする痛みが出たら、我慢せずにやめてください。ニキビが増えた時も同じです。合わない人はいます。それを隠して売るようなことは、私たちはしません。
広まったのに、道具がなかった
この方法は、一人の発信者を通じて社会に広まりました。ブログから始まり、X(旧Twitter)で大きな反響を呼び、書籍にもなりました。『インテリジェンススキンケア 〜ベビーオイル洗顔のススメ〜』(星海社新書)として、私たちも関わり、共著で理論をまとめた本です。
ところが、実践する人たちが手にできるのは、ドラッグストアのベビーオイルだけでした。悪いものではありません。ただ、オイル洗顔のためだけに作られたものではない以上、量の調整にも、仕上がりにも、メイク落ちにも限界があります。「理論はあるのに、専用の道具がない」。その状態が、ずっと続いていました。
セラクレンズは、その道具です。オイル洗顔のためだけに処方し、ウォータープルーフのメイクに対応させ、洗顔も化粧水も別に要らない設計にしました。MINERALは、誰でも使えるシンプルな処方。PLUSは、ホホバベースに最新技術と美容成分を取り入れた処方。どちらが上でも下でもなく、処方の考え方が違う、対等な2つの選択肢です。
私たちが届けたいのは、オイルそのものではありません。「落としすぎない」という選択と、その強さを自分の手で決められる毎日です。洗うたびに肌を削る時代を、終わりにしましょう。

よくある質問
Q:オイル洗顔とクレンジングオイルの違いは何ですか?
A:クレンジングオイルは、オイルに界面活性剤を加えて水で洗い流せるようにしたクレンジング剤です。オイル洗顔は、オイルそのものを肌になじませ、ティッシュで吸い取って落とす方法で、洗い流す工程がありません。なお、クレンジングオイルを使って洗うことを「オイル洗顔」と呼ぶ人もいますが、それは正確ではありません。オイル洗顔は、界面活性剤入りのクレンジング剤ではなく、オイルそのもので落とす方法を指す言葉です。
Q:ベビーオイル洗顔と、専用オイルのオイル洗顔は違いますか?
A:基本のやり方は同じです。ただしベビーオイルは保湿用の単一オイルで、クレンジング用に作られていないため、落ちないメイクもあります。専用に設計されたオイルは、その点と使用感が改良されています。
Q:オイル洗顔のあと、W洗顔は必要ですか?
A:必須ではありません。したくなったら、しても構いません。大切なのは方法への固執ではなく、入浴も含めた「洗う回数と強さ」の合計を把握することです。
Q:オイル洗顔は、どんな人に向いていますか?
A:洗顔後の乾燥やつっぱりが気になる人、何をしても乾燥する人に向いています。
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