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石油は天然成分?合成成分?現役化粧品開発者が語る「石油由来」の真実とオーガニックのはなし

2025. 12. 03
石油は天然成分?合成成分?現役化粧品開発者が語る「石油由来」の真実とオーガニックのはなし

🌿 石油は天然成分?合成成分?現役開発者が語る「石油由来」の真実とオーガニックの誤解

 

 

👋 はじめに:SNSで議論される「石油 vs 天然」の終わらない論争

 

SNSや美容好きの間で、何十年も議論され続けているテーマがあります。それは「石油成分は天然なのか、合成なのか」、そして「石油由来の成分は肌に悪いのか」という話題です。

特にオーガニックコスメやナチュラルコスメを好む方ほど、「石油は危険、天然は安全」と考えがちです。しかし、元々オーガニックコスメメーカーの研究員として10年働き、現在は自身のブランドを展開している私の視点からすると、その認識には大きな誤解があります

この記事では、化粧品成分としての「石油」の正体と、安全性についての真実を解説します。


 

🤔 1. 「石油は肌に悪い」という誤解はなぜ生まれたのか?

 

まず大前提として知っておいていただきたいのは、「天然由来か石油由来か」ということと、「成分の安全性」は全く別物であるということです

どのメーカーも原料や製品単位で厳格な安全性試験を行っており、由来が何であれ、安全性が確認されたものが製品化されています

 

🕰️ 過去の歴史が作った「悪いイメージ」

では、なぜ「石油=悪」というイメージが定着したのでしょうか?これには化粧品の歴史が深く関わっています。

1950年代〜60年代頃、石油由来の成分が使われ始めた当初は、まだ精製技術が未熟でした 。そのため、取り除ききれなかった不純物が肌に悪さをし、社会現象になるような肌トラブルを引き起こした時代があったのです

 

この当時の記憶や情報が語り継がれ、「石油由来は危険だ」という風潮が根付いてしまいました 。しかし、技術が進歩した現在では不純物はきれいに取り除かれ、医薬品にも使われるほど安全で純度の高い成分になっています

 

🦠👨🔬 2. 開発者の視点:石油は「天然由来成分」である

「石油は合成成分だ」とよく言われますが、私の意見としては、石油は「天然由来の成分」だと考えています 

 

こう言うと驚かれるかもしれませんが、その理由は石油がどうやってできるかを知れば納得いただけるはずです。

 

🦕 石油と「納豆」は同じ?微生物が作るメカニズム

石油の起源には諸説ありますが、有力な説の一つに「生物起源説」があります。大昔の植物やプランクトンなどの有機物が堆積し、それを微生物が食べて分解・排出することで石油が作られたというものです

 

実はこれ、現在の化粧品や食品で使われる「天然由来成分」の作り方と非常によく似ています

🌱 天然の増粘剤(キサンタンガムなど): タンクの中で微生物に植物(エサ)を与え、微生物が出すネバネバ成分(排出物)を利用する

🛢️ 石油: 太古の昔、地中で微生物が有機物を分解して作ったもの

 

つまり、タンクの中で人工的に培養して短期間で作るか、地球という環境の中で何億年もかけて作られたかの違いだけで、「微生物が有機物を分解して作った」というプロセス自体は同じなのです

 

この視点で見れば、石油も立派な「天然由来」と言えるのではないでしょうか

 

🌿🌏 3. なぜオーガニックコスメは石油を使わないのか?

私が以前勤めていたオーガニックコスメメーカーでも、社内基準として石油由来成分は使用不可でした

 

「やっぱり危険だから使わないのでは?」と思うかもしれませんが、それは違います。オーガニックコスメが石油を使わない理由は、安全性ではなく「思想」と「環境問題」によるものです

 

💭 思想: 自然のサイクルの中で作られたものを使い、石油のような枯渇資源を使わないという考え方

♻️ 環境: CO2排出などの環境負荷を減らすという目的

オーガニックコスメは、「石油が肌に悪いから」避けているのではなく、「環境や思想に配慮して」避けているのです

 

💡 まとめ:イメージに惑わされず、正しい知識を

「石油は合成で危険、天然は安全」という単純な図式は、成分の成り立ちや歴史を知ると、必ずしも正しくないことが分かります。

石油も元を辿れば太古の生物から生まれた恵みであり、現代の技術で精製されたものは非常に安全性が高い成分です。天然か合成かという言葉のイメージに振り回されず、それぞれの良さを理解して化粧品を選ぶことが大切です。

 


【著者プロフィール】

植村 元 (Gen Uemura) 株式会社Cogane studio 代表取締役。オーガニック・ナチュラルコスメ化粧品メーカーの研究者として約10年間経験したのち、独立。現役の化粧品開発者およびITエンジニア としての知見を融合させ、自社ブランド「ミューレ(MIULE)」の製品(セラクレンズなど)開発や、化粧品ビジネスマッチングサイト「Benten」の開発・運営を行う。