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レチノールとホホバオイルの驚くべき相乗効果:科学が示す新たな可能性

2025. 04. 17
レチノールとホホバオイルの驚くべき相乗効果:科学が示す新たな可能性

エイジングケアの強力な味方として知られるレチノール。その効果をさらに引き出す可能性を秘めた成分として、近年注目を集めているのがホホバオイルです。

ホホバオイルは長年にわたり皮膚やヘアケア用途に広く使用されてきましたが、最近では創傷治癒、皮膚軟化剤、保湿、抗炎症、抗菌効果などの皮膚への効果があることが証明されています

今回ご紹介する最新の研究論文(Nagy Katalin, 2024)では、ホホバオイルがレチノールの皮膚への浸透を劇的に高めるという驚くべき結果が報告されました。この研究結果は、私たちのスキンケアに対する考え方を大きく変えるかもしれません。

 

なぜホホバオイルがレチノールの浸透を助けるのか?

研究では、人工皮膚モデル(Skin-PAMPA)を用いて、レチノール単体とホホバオイルを加えたレチノール製剤の皮膚透過性を比較しました。その結果、10%のホホバオイルを加えることで、1.0%のレチノールの皮膚透過性がなんと約40倍に増加したのです。

 

この驚異的な効果の背景には、ホホバオイルの独特な性質があると考えられています。

 

  • 皮膚のバリア機能への影響: ホホバオイルは、人間の皮脂と非常に類似した構造を持っています。そのため、皮膚の最も外側の層である角質層に馴染みやすく、脂質バリアの流動性を高める可能性があります。

 

 

皮膚の角質層は、壁のセメントのような役割を果たす脂質マトリックス(モルタル)の中に、いわばレンガのような役割を果たすケラチンタンパク質(角質細胞)で構成されています。外から塗った有効成分のを送り出す、効果的に向上させるには、脂質モルタルを軟化させ、有効成分がケラチンベースの「レンガ」の周りを滑り抜ける技術が不可欠になってきます。

 

 

そこで注目したいのが、ホホバ油ワックスエステルの構造です。ホホバ油は、皮膚の皮脂脂質と非常によく似ています。そのため、ホホバ油は親油性の有効成分の受動浸透を高め、可溶化した有効成分の浸透を向上させることができると考えられました。

 

 

今回の研究では、3 つの処方が試験されました。1 つ目はレチノールなしで 10% ホホバ油のみ(Formulation1)、2 つ目は 1% レチノールと 9% 大豆油(Formulation2)、3 つ目は 1% レチノールと 9% ホホバ油で処方されました(Formulation3)。これをskin -PAMPA 試験モデルにかけ、 HPLC 分析により決定されました。

 

この結果から、ホホバオイルをレチノール1.0%含有クリームに配合したところ、ホホバオイルを含まないレチノール含有の類似製剤と比較して、レチノールの皮膚浸透性が40倍向上することが示されました。つまりレチノールの通り道を作る役割が考えられ、角質層のバリアが緩むことで、親油性の性質を持つレチノールがよりスムーズに皮膚の奥へと浸透するための微細な経路が形成されると考えられます。

また、興味深いことに、大豆油のような一般的な植物性トリグリセリドオイルでは、ホホバオイルのような顕著な皮膚浸透促進効果は見られませんでした。この点からも、ホホバオイルの特異性が際立っています。

この比較から、ホホバオイルは有効成分の送達を促進するのに対し、一般的な植物油にはこのような作用が見られないことが分かります。

 

レチノールとホホバオイルの組み合わせがもたらす可能性

この研究結果は、レチノールとホホバオイルを組み合わせることで、以下のような効果が期待できる可能性を示唆しています。

 

  • レチノールの効果向上: 皮膚への浸透が高まることで、レチノール本来の持つ肌のターンオーバー促進、コラーゲン生成のサポート、シワやシミの改善といった効果をより効率的に得られる可能性があります。
  • レチノールの刺激緩和: ホホバオイルの保湿効果や皮膚バリアのサポート効果によって、レチノール使用時に起こりやすい乾燥や刺激を和らげる可能性があります。
  • より少ない濃度での効果: 浸透率が向上することで、これまで高濃度でしか得られなかった効果を、より低い濃度のレチノールで実感できる可能性も考えられます。

 

今後のスキンケアへの応用

この研究はまだ初期段階であり、今後のさらなる研究によって、ホホバオイルとレチノールの最適な組み合わせや使用方法が明らかになることが期待されます。

しかし、この発見は、より効果的で肌に優しいエイジングケア製品の開発に新たな道を開く可能性を秘めています。

 

まとめ

最新の研究論文は、ホホバオイルがレチノールの皮膚浸透を飛躍的に高める可能性を示唆しています。この相乗効果によって、レチノールのエイジングケア効果を最大限に引き出し、より肌に優しいスキンケアが実現するかもしれません。今後の研究の進展に注目しつつ、賢くスキンケアに取り入れていきましょう。

 

参考文献: